新スマホ「iPhone 7 Plus」の性能をベンチマークでチェック!クアッドコアCPUになったA10 Futionや3GB RAMでどう変わったか?【レポート】



Apple iPhone 7 Plusのベンチマーク結果を紹介!

日本ではスマートフォン(スマホ)の中でシェアが5割を超えて人気の「iPhone」シリーズ。ここ数年は一部で代わり映えがあまりしないという評価もありながらも毎年販売台数を伸ばし、発売直後は話題となっています。

今年も9月16日に発売された「iPhone 7」および「iPhone 7 Plus」は特に日本で需要の高い防水・防塵やFeliCaに対応していることもあり、中でも新色のジェットブラックやブラックは入荷数が少ないこともあり、なかなか手に入らない状況です。

筆者もすでに購入・開封レポートで紹介したようにiPhone 7 Plus(32GB・シルバー)のSIMフリー版を購入しました。一昨年に「iPhone 6 Plus」を購入したものの、その大きさとデザインによる持ちにくさ、そして、操作しづらさから昨年は「iPhone 6s」を購入しましたが、その後に常用するなら発売されたより小さい「iPhone SE」が良いなということで、それならデュアルカメラを試してみたいと選んだ次第です。

思えばiPhone 6 Plusも大きさではなく、画面解像度と光学手ブレ補正で購入したので購入動機は似たようなものかもしれません。そんなiPhone 7 Plusですが、少しずつ環境を整えつつあるので、その前に実際したベンチマークの結果を紹介したいと思います。

【ハードウェア情報を確認】

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まずはアプリ「CPU Dasher64」でハードウェア情報を確認してみました。iPhone 7およびiPhone 7 Plusはともにアプリケーションプロセッサーとして「Apple A10 Fusion」(APL1W24)とセンサーなどの用のコプロセッサー「Apple M10」を搭載しています。

A10 Fusionは、AシリーズでははじめてARMのbig.LITTLEを採用し、高速2コア+低速2コアのクアッドコアCPUとなり、iPhone 6sシリーズの「Apple A9」に比べて40%高速化した2コアと、A9よりも5分の1の消費電力となった省電力な2コア、そして、6コアGPUという構成です。

高速化した2コアの最大クロック数は2243MHzで、iPhone 6sシリーズの1848MHzと約1.2倍となり、同じARMv8コアを採用。一方で、L1およびL2キャッシュはともに64KBおよび3072KBですが、キャッシュラインサイズが64Bytesから128Bytesに拡大されています。

一方、iPhone 7がiPhone 6sと同じく内蔵メモリー(RAM)として2GB LPDDR4を搭載していますが、iPhone 7 Plusでは新たにより大容量の3GB RAMを搭載しています。CPU Casher64でもiPhone 7 PlusのRAMは2998MBとなっています。

機種RAMサイズCPUコア/最大クロックGPU
iPhone 72005MB4コア/2243MHzA10
iPhone 7 Plus2998MB4コア/2243MHzA10
iPhone 6sシリーズ2005MB2コア/1848MHzA9
iPhone 6シリーズ989MB2コア/1400MHzA8
iPad Pro3981MB2コア/2255MHzA9X


【ベンチマークを実施】

続けて、ベンチマークを計測していきますが、過去の機種についてはiOSやベンチマークアプリのバージョンは異なりますが、参考までに以前の記事を参照して欲しいと思います。

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・AnTuTu Benchmark

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AnTuTu Benchmark 6.2の結果

まずはAndroidにおけるベンチマークでも採用している総合的に性能を確認できる「AnTuTu Benchmark」を実施してみました。結果は180117とA9を搭載したiPhone 6sやiPhone SEの約12万よりさらに高く、スコアで約1.5倍になりました。

・3DMark

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3DMark Ice Storm Unlimitedの結果

次に「3DMark」のIce Stream Unlimitedのスコアも38094とかなり高いもの。なお、各ベンチマークアプリではそれぞれ3回実施し、大きく差がないことを確認し、3つの結果の中間を掲載しています。同じくA9 GPUを搭載しているiPhone 6sとiPhone SEの約3万弱、iPad Proの約3.4万よりも高いことがわかります。

・Geekbench 4

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iQuickMarkではエラーが表示されたので(画像=左)、同じくシングルコアとマルチコアのCPU性能を測れるGeekbench 4での結果(画像=右)

最後にCPUのシングルコアとマルチコアを個別に計測できるiQuickmarkを行ったのですが、Diskのところでなかなか終わらずに「エラー」となってしまったので、代わりに同じくCPUのシングルコアとマルチコアを性能を確認できる「Geekbench 4」で測定しました。

結果はシングルコアが3468、マルチコアが5628となり、例えば、AndroidのGeekbench 3の結果と比較するとSnapdragon 820を搭載した「HTC 10 HTV32」ではシングルコアが2345、マルチコアが5128となっており、それ以上であることが明らかになっています。

各数値は確実にiPhone 6sシリーズから向上しており、実際に操作していてもかなりサクサクと快適度が上がっているように感じます。

また、一部ではiPhone 7と比べてiPhone 7 Plusの3GB RAMの影響はなく、動作の快適性などは同じといったことが言われています。

とはいえ、画面解像度がiPhone 7 Plusのほうが高いですし、カメラもデュアルカメラで実質的に約2400万画素を扱っていることになるため、そういった部分で同じような快適性であるならその時点で3GB RAMが有効に効いているのではないかと推察できるのではないでしょうか。

記事執筆:memn0ck


[Image] QRコードアプリ名:CPU Dasher64
価格:無料
カテゴリ:辞書/事典/その他
開発者:GreenGames Studio
バージョン:3.0
iTunes Store:http://itunes.apple.com/jp/app/id884513234?mt=8

btn_itunes


[Image] QRコードアプリ名:AnTuTu Benchmark-hardware performance test
価格:無料
カテゴリ:ユーティリティ
開発者:Beijing AnTuTu Technology Limited
バージョン:6.2.3
iTunes Store:http://itunes.apple.com/jp/app/id803837129?mt=8

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[Image] QRコードアプリ名:3DMark Ice Storm Benchmark
価格:無料
カテゴリ:ユーティリティ
開発者:Futuremark Oy
バージョン:1.4.978
iTunes Store:http://itunes.apple.com/jp/app/id642839144?mt=8

btn_itunes


[Image] QRコードアプリ名:Geekbench 4
価格:\120
カテゴリ:ユーティリティ
開発者:Primate Labs Inc.
バージョン:4.0.1
iTunes Store:http://itunes.apple.com/jp/app/id1130770356?mt=8

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Appleの新スマホ「iPhone 7」と「iPhone 7 Plus」がiFixitによって分解!RAMは7が2GB、7 Plusが3GBに――電池容量はともに6sシリーズよりも1割程度増加 - S-MAX
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