いつでもどこでも高音質ワイヤレスリスニング!実売約1万円のノイズキャンセリング対応Bluetoothヘッドセット「Smart Quiet WS-7000NC」を徹底テスト【レビュー】


大好きな音楽を快適な環境で楽しもう!Bluetoothヘッドセット「Smart Quiet WS-7000NC」をレビュー

通勤や通学のお供と言えば、今も昔も音楽ですね!バスや電車に揺られながらヘッドホン越しに聞こえてくる音楽は忙しい毎日を少しだけ和らげてくれます。時代とともにそんな音楽のリスニング環境も変化し、有線から無線へ、そしてデジタルノイズキャンセリングまで搭載されるようになりました。

みなさんはノイズキャンセリング機能付きヘッドホンやヘッドセットなどを利用したことがありますでしょうか。価格が高そうだとか音が悪そうといったイメージが先行しがちでさまざまな不安がつきまとうかと思います。

今回ご紹介するノイズキャンセリングワイヤレスヘッドセット「Smart Quiet WS-7000NC」(以下、WS-7000NC)は、そんな不安を払拭してくれるかもしれないヘッドセットです。実際にさまざまな環境で聴き比べてテストしてみましたので、その模様をレビューしていきたいと思います。

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外箱正面。Bluetoothレシーバー本体とヘッドセット部分が見える


■選択肢が非常に少ないノイズキャンセリング機能付きワイヤレスヘッドセット
WS-7000NCはソフトバンクが「SoftBank SELECTION」としてブランド化しているアクセサリー製品の1つで、他社製品のOEMなどではなくソフトバンク自らが製造・販売を行っている商品です(製造は大手メーカーなどに委託)。携帯電話会社自らが自社ブランドでスマートフォン(スマホ)などの周辺機器を販売することは珍しくありませんが、本機のように他社製品ではあまり見かけない機能や性能のものは稀です。

本機の最大の特徴はワイヤレスでデジタルノイズキャンセリングを実現している点です。通信規格にはBluetoothを採用しており、実用半径約10m程度のワイヤレスリスニングが可能です。同様のBluetoothレシーバータイプのヘッドセットはいくつか存在しますがノイズキャンセリングを搭載した機種は非常に少なく、日本で販売されているものは本機を含めても数機種しかありません。

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外箱裏面。ノイズキャンセリングの仕組みや本機の性能などが書かれている

ノイズキャンセリングの具体的な仕組みは、内蔵されているマイクなどで外部の音を集音し、その音の波形と逆位相となる波形の音を発生させることで物理的に音を打ち消すというものです。

かつては集音した音の処理が遅く、思ったように音を打ち消せずに消音効果の低い機種などもありましたが、ノイズキャンセリング処理のデジタル化や高速化によって非常に高精度で雑音の少ないノイズキャンセリングが可能になりました。

本機に搭載されたノイズキャンセリング機能は低周波の消音に特化しており、街の雑踏や電車内の空調の音、扇風機の風切り音など、人が主に耳障りだと感じる低い振動音をカットしてくれます。

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充電用のmicroUSBケーブルと交換用イヤーピースが付属する


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交換用イヤーピースはS、M、Lの3つのサイズがある


■高音質圧縮方式「aptX」「AAC」に両対応した貴重な機種
ワイヤレスヘッドセットを選ぶ際に意外と見落としがちなのが音声の圧縮方式です。音声の通信規格そのものにはBluetoothの基本プロファイルである「A2DP」や「HSP」などを使用しますが、そこで使われる圧縮方式にはSBCやaptX、AACなどさまざまなものがあります。

SBCはBluetoothの基本的な圧縮方式であり、安定した通信を行うために元の音声データにかなりの圧縮をかけ、データを小さくして伝送します。そのため、伝送自体は安定しますが音質の劣化が大きく、圧縮・展開処理による出力の遅延も大きいのがデメリットです。

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本体正面。メーカーロゴなどがないすっきりとしたデザイン。ヘッドセット側にもロゴ等はない

一方でaptXやAACによる伝送は音の圧縮が少なく音質劣化が小さいのが特長です。また遅延の小ささもメリットの1つで、動画やゲームをしながら音声をワイヤレス伝送しても違和感が小さくなります。

aptXは主にAndroidスマホで採用されている方式で、AACがiPhoneなどのiOSで採用されている方式となります(AACはAndroidスマホでも採用している機種がある)。特にiPhoneの場合AACで録音された楽曲などは元データの圧縮率にもよりますが再圧縮されずにそのまま伝送される場合が多いため、音の劣化や遅延を極力抑えることが可能です。

このaptXやAACに対応したBluetoothヘッドセットは意外と少なく、その両方に対応した機種となると更に限定されます。本機はそういった「かなり珍しい機種」に分類することができ、その点だけでも貴重な選択肢と言えます。

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本体裏面。クリップ部分にSoftBankロゴとBluetoothマークがある。どちらも普段利用では目立たないのがいい


■音質は良好。ただし課題もあり
実際に筆者が数日間使用した評価としては、思った以上に快適だというのが第一印象です。

公称で環境騒音を94%低減すると謳っているノイズキャンセリング性能は想像以上に高く、街の雑踏や空調のモーター音、電車の駆動音などが全く気にならないレベルまで抑えられます。公式サイトにノイズキャンセリング機能を体感するためのサンプル音声がありますが、この再現音は本機の実際の効果に非常によく似ていますので参考になるかと思います。

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リンク先URL:http://www.softbankselection.jp/special/smartquiet/

前述した通り、低周波の音(低音域)の消音に特化しているため、人の声や高音域の音は若干小さくなる程度でそのまま聞こえますが、カナル型のイヤーピースを採用しているため十分な遮音性はあります。程良く人の声が聞こえるので外部の音が完全にシャットアウトされて危険予測や回避が遅くなる可能性が低いのは安心です。

ただしカナル型の中でも耳に挿入する深さが浅い方で、深く耳に差し込んでしっかりと保持したい人には若干心許ない付け心地とも感じました。

またケーブルが細く絡みやすい点やイヤーハンガー式ではないことから顔の横などにケーブルが擦れ、少しの移動などでもガサガサモゴモゴと耳障りなケーブル由来の物理ノイズが入る点もデメリット。しかしそこまで気にしてしまうと他のワイヤレスノイズキャンセリング機能を有したヘッドセットでも選択肢は皆無であり、この点まで配慮したヘッドセットやヘッドホンはさらに高額な高級クラスのみになってしまうため、ここは妥協するしかない点と言えます。

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イヤーピースはラバー製。イヤーピース内側には消音用のスポンジなどは付いていない

肝心の音質は価格なりといった印象で、低音域を強調したドンシャリ系。音全体のまとまりは良いため聴き心地は悪くありませんが最低音量にしても若干音が大きく、筆者には最低音量か1〜2段階上げる程度で十分でした。静かに音楽を聴きたい人にはあまり向いていない印象です。

筆者はiPhone 6sと接続したためiPodアプリ内の楽曲はAACでの伝送となり、非常に音質もよく快適に聴けました。ゲームや動画などでも遅延が少なく違和感が小さかった印象ですが、iPodアプリで音楽を聴きながらゲームを遊んだりすると突然ゲーム内SEの遅延が大きくなったり音声がわずかに飛ぶなどの現象が確認できました。

それ以外の状況では家電量販店のような多数のBluetooth機器やWi-Fi機器が動作している環境下で若干の音飛びなどを確認しましたが、これはほぼ全てのBluetooth機器で起こる避けがたい現象であるため妥協する以外にありません。

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本体下面。充電用のmicroUSB端子がある


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本体側面。音量調整ボタン、早送り・早戻しボタン、一時停止ボタンがある


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本体上面。アクティブノイズキャンセル(ANC)ボタン、電源ボタン、電源確認用LED、マイクなどが並ぶ

再生・一時停止ボタンではスマホで着信した通話を受けることも可能で、スマホによっては予め登録しておいた電話番号への発信も可能です。ただし筆者の環境では音楽聴取中に受けた通話を終了した際、自動で音楽再生が復帰しない場合もあったため、使い勝手には若干の難があります。

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本体はプラスティッキーで高級感はないがデザインがすっきりしていて悪くない


■ペアリング作業はとても簡単。バッテリー持続時間も十分
Bluetoothのペアリング作業は非常に簡単です。購入直後など他の機器と全くペアリングされていない状態の場合、本体の電源を入れると自動的にペアリング(登録)モードに入り、「登録モードに入りました」と音声案内が流れます。すでに別の機器でペアリングされている場合、電源ボタンを一番右の「PAIR」までスライドさせてしばらく待つことでペアリングモードに移行します。

あとはペアリングしたい機器で認証するだけ。基本的にPINコードの入力などは不要ですが、もし入力を求められた時は「0000」で登録できます。

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最大8台の機器と登録可能で同時に2台と接続可能


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iPhoneと接続した場合、Bluetoothアイコンとともに接続機器のバッテリー残量が表示されるのは非常に便利だ

バッテリーには3.7V、200mAhのリチウムイオンポリマー充電池が使用されており、2.5時間の充電で約240時間の待受に対応。ノイズキャンセリング機能ONの場合で約9時間、ノイズキャンセリング機能OFFの場合約11時間の連続通話および連続音楽再生が可能です。

対応するプロファイルはA2DP、AVRCP、HFP、HSPの4種類。AVRCPは通信機器をワイヤレスコントロールするためのプロファイルで、それ以外が通信用プロファイルとなります。

■あらゆるスマホに高音質で繋げられる貴重な選択肢として
前述したように、単なるBluetooth接続のヘッドホンではなくノイズキャンセリング機能と通話機能が付いた「音楽聴取に特化したヘッドセット」というだけでも選択肢が狭く、選べる機種が限られている中でも、高音質な圧縮方式であるaptXとAACの両方に対応した機種は本当に数機種しかありません。

そのピンポイントなニーズに焦点を合わせてきたというだけでも驚きですが、これが実売1万円前後で購入できる点も特筆に値します。

ケーブル由来のノイズや音量の問題など、若干利用上の気になるクセも見受けられますが、ノイズキャンセリング機能はホワイトノイズ(「サー」というデジタルノイズ)もほとんど気にならないレベルの高品位なものであり、デメリットを補って余りある効果をもたらしています。

一方では超高音質を売りとしたハイレゾ録音とそれに対応した高級ヘッドホンやポータブルアンプなどがブームとなっているモバイルオーディオの世界ですが、そもそもハイレゾ録音された楽曲を持っていなかったり、圧縮音源であるAACやWMAなどで音楽を持ち歩いている人はまだまだ主流です。

そういった「スマホの音楽を気軽で便利に、しかしそれなりに安価に良い音で聴きたい」という非常に贅沢なニーズに応える1台として、WS-7000NCはかなり高い付加価値を与えてくれるヘッドセットであると感じました。当然ながらSoftBankが販売しているスマホ以外でも利用可能なので、ノイズキャンセリング対応のワイヤレスヘッドセットを探している方は選択肢の1つとして検討してみてはいかがでしょうか。

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いつでもどこでも快適なリスニング環境を





記事執筆:あるかでぃあ


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