新チップセットの性能は?トリニティのWindows 10 Mobileスマホ「NuAns NEO」の実力をベンチマークでチェック【レビュー】
Windows 10 Mobileスマホ「NuAns NEO」をベンチマーク! |
トリニティ初のスマートフォン(スマホ)として1月下旬に初期生産分が出荷された「NuAns NEO」。OSにWindows 10 Mobileを採用していることに加え、注目機能のContinuum for Phoneに日本国内でははじめて対応したこと、さらに背面カバーが木や革などのさまざまな素材を組み合わせることができて外観の良いことなどで注目を集めています。
一方で、Continuum for Phoneに対応するにはこれまでは「Snapdragon 810」と「Snapdragon 808」というハイエンドチップセットである必要があるというようにある程度の高い性能が求められており、NuAns NEOではその1つ下の新しい「Snapdragon 617」が搭載されています。
そこでまだAndroidでは採用機種がないSnapdragon 617を搭載したNuAns NEOがどの程度の性能があるのか、ベンチマークを行ってチェックしてみましたので紹介したいと思います。
チップセット | CPU | GPU | 搭載機種例 |
Snapdragon 810 | 2.0GHz×4+1.6GHz×4 | Adreno 430 | Nexus 6P、Xperia Z5、Xperia Z4、ARROWS NX F-04Fなど |
Snapdragon 808 | 1.8GHz×2+1.4GHz×4 | Adreno 418 | Nexus 5X、isai vivid LGV32、AQUOS Compact SH-02Hなど |
Snapdragon 617 | 1.5GHz×8 | Adreno 405 | NuAns NEO、VAIO Phone Biz |
Snapdragon 615 | 1.7GHz×4+1.0GHz×4 | Adreno 405 | ALCATEL ONETOUCH IDOL3、Blade V6、g03、g05、ZenFone Selfieなど |
Snapdragon 410 | 1.2GHz×4 | Adreno 306 | VAIO Phone、ZenFone 2 Laser、MADOSMA、Desire 626など |
NuAns NEOが搭載するSnapdragon 617は、Qualcomm製の64bit対応チップセットではミドルレンジクラスをカバーするSnadragon 600番台です。
これまで多くのAndroidで搭載されているSnapdragon 615がCortex-A53のコアを1.7GHzのクアッドコアCPUと1.0GHzクアッドコアCPUのbig.LITTLE構成のオクタコアCPUだったのに対し、1.5GHzオクタコアCPUとbig.LITTLEになっていないのが特長です。
また、メモリーもSnapdragon 615がLPDDR3-1600であるのに対し、Snapdragon 617ではLPDDR3-1866となっているとのこと。
Snapdragon 615を搭載したAndroidは、上記表のようになっており、日本では主にミドルクラスのSIMフリースマホに多い印象です。といったような事前情報を抑えつつ、今回はWindows 10 Mobile向けアプリ「AnTuTu Benchmark」(Version 6)を実行してみました。
Windows 10 MobileとAndroidというようにOSが異なる上にAnTuTu Benchmarkの細かなバージョンが違うので細かな比較はできないかもしれませんが、過去のベンチマーク結果からざっくりと数値をまとめると以下のようになりました。
機種 | 画面 | チップセット | RAM | AnTuTu Benchmark | |
NuAns NEO | 5型HD | QS617 | 2GB | 46209 | |
g03(Blade S) | 5型HD | QS615 | 2GB | 31995 | |
g05(Blade S7) | 5型フルHD | QS615 | 3GB | 36004 | |
ZenFone 2 Laser ZE601KL | 6型フルHD | QS616 | 3GB | 33259 | |
AOT IDOL3 | 5.5型フルHD | QS615 | 2GB | 31389 | |
Nexus 6P | 5.7型WQHD | QS810 | 3GB | 60872 | |
Nexus 5X | 5.2型フルHD | QS808 | 2GB | 52342 | |
Nexus 6 | 6型WQHD | QS805 | 3GB | 50095 | |
Nexus 5 | 5型フルHD | QS800 | 2GB | 30299 | |
HUAWEI Mate S | 5.5型フルHD | HK935 | 3GB | 44956 | |
honor6 Plus | 5.5型フルHD | HK925 | 3GB | 43934 | |
FREETEL 侍 極 | 6型WQHD | MT6795 | 3GB | 47026 | |
ZenFone 2 | 5.5型フルHD | IAZ5380 | 4GB | 53697 | |
ZenFone Zoom | 5.5型フルHD | IAZ5390 | 4GB | 64421 |
単純にスペックの数字だけで見ると、Snapdragon 615で2GB RAM、そして画面解像度がHD(720×1280ドット)のg03あたり、また、それ以外では画面解像度がフルHD(1080×1920ドット)ながらSnapdragon 615やSnapdragon 616を搭載した機種が近そうに思えますが、NuAns NEOではベンチマークの結果ではもう少し良いようです。
逆にベンチマーク結果から見ると、HUAWEI Mate Sやhonor6 Plus、FREETEL 侍 極あたりと近く、どちらかというとハイスペックモデル並といっても良いくらいで、実際の操作性も以前に紹介したようなタッチパネルのスクロール問題はありますが、動作自体は非常に速い感じがします。
ただし、これはWindows Phone 7.xやWindows Phone 8.xの頃からですが、Windows 10 Mobileになってもストアの表示や更新のチェックなどのネットワーク接続が必要な機能の待ち時間が長いのが気になります。
もちろん、AndroidやiPhoneでも待ち時間はゼロではないですが、それほど待つ印象はないので、サーバー市場でもシェアを持つマイクロソフトだけになんとかならないのかなと思ってなかなかなんともならないのが残念なところです。
NuAns
2016-01-31
記事執筆:memn0ck
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