Skylakeもサポートし、買いやすくなったKingstonのDDR4メモリー「HyperX FURY DDR4」〜基本チェック編〜


以前『Intel XMP対応でHaswell-Eをきっちりぶん回せるKingstonのDDR4メモリー「HyperX FURY DDR4」』という記事で高性能なメモリーモジュールをリリースするメモリーメーカーKingstonことKingston Technologyの「HyperX」シリーズで新登場のDDR4メモリーを紹介した。

「HyperX」という冠は、同社の製品の中でも特に高品質・高性能・高耐久・高信頼性といったように高い次元で性能や安定動作を持つ製品だけに付けられる。主に高性能さが追及されるゲーム用途向けのPCに向く。同社ではメモリーのほかにもゲーミングマウスパッドやSSDといったようにHyperXの冠が付く製品が多数用意されており、性能をとことん追求したいユーザーなら、「HyperX」と聞くだけで「高性能」といったイメージが自然に思い浮かぶほどだ。

そのHyperXシリーズの中で、特にゲーム向けのモデルとなるのが「HyperX Fury DDR4」シリーズであることを前回紹介したかと思う。今回は、つい先日登場したSkylakeことインテルの第六世代のインテルCoreプロセッサー向けとして用意されたパッケージで、FuryシリーズのDDR4メモリーモジュール、8GBのモジュールが2枚で合計16GBとなるキット「FURY Memory Black - 16GB Kit(2×8GB) -DDR4 2666MHz CL15 DIMM」を紹介しよう。

同製品の部品番号は「 HX426C15FBK2/16」。HX426C15FBKモジュールが2枚、合計16GBという意味になると思われる。対応マザーボードでは安全の範囲内でオーバークロックIntel XMP 2.0に対応しており、BIOS設定でXMPを有効にしていると最大2666MHz/CL15まで自動でクロックアップして動作する。もちろんそれ以上も自己責任となるがオーバークロック動作が可能だ。

■高性能に加え、長時間の安定動作も重視
前述したように「HyperX Fury」の位置づけは性能優先のゲーミング用だ。性能の追及に加えて長時間のゲームプレイでも安定動作をも重要なのだ。MMORPGでパーティを組んでプレイ中にPCが落ちてしまうなどのトラブルに遭遇してしまうとパーティメンバーに迷惑をかけるだけでなく、パーティ全滅の憂き目に遭う可能性もある。高い性能と長時間稼働を両立させたモジュールが「HyperX Fury DDR4」であると思っていいだろう。

高性能かつ長時間の安定動作というのは、ゲームに限った話ではなく、動画の編集や3DCG作成、2次元画像制作といった多くの用途で必要とされる条件だ。高性能環境を長時間動作させてもビクともしない安定性を提供してくれる「HyperX Fury」は、何でもそつなくこなすオールマイティな優等生メモリーと言えるかもしれない。

■様々な組み合わせで計10製品がラインアップ
「HyperX Fury DDR4」は、4GB、8GB、16GB、32GB、64GBの容量が用意される。単体モジュールの最低容量は4GB、最大容量が8GBとなる。そのため8GBの場合、4GB×2、8GB×1といった組み合わせができる。同様に16GBであれば、4GB×4、8GB×2の組み合わせといったように同じ容量でも異なる枚数の組み合わせが可能だ。

最大動作クロックとキャスレイテンシは、2133MHz/CL14、2400MHz/CL15、2666MHz/CL15の3種類。8GBモジュールでは「2133MHz×1、2133MHz×2、2133MHz×4、2133MHz×8、2400MHz×4、2666MHz×4」という6製品が用意される。4GBモジュールでは「2133MHz×1、2133MHz×2、2400MHz×4、2666MHz×4」の4製品が用意されており、組み合わせると全部で10種類から選択できる。

 「FURY Memory Black - 16GB Kit(2×8GB) -DDR4 2666MHz CL15 DIMM」

「FURY Memory Black - 16GB Kit(2×8GB) -DDR4 2666MHz CL15 DIMM」

■動作にはDDR4環境であるIntel X99 ExpressかIntel Z170 Expressが必要
HyperX Fury DDR4は、当然ながらDDR4対応のシステムでしか利用できない。これまでDDR4に対応していたのはCPUソケットがLGA 2011-v3のHaswell-Eに対応するIntel X99 Expressチップセットのシステムだけであった。

Intel X99 Expressチップセットのシステムを組むとなるとマザーボード、CPU、メモリーだけで余裕で6万円を超えてしまう。ところがSkylakeこと第6世代インテルCoreプロセッサーの登場で、一気に一般ユーザーでも購入できる価格帯にまで値段が落ちてきた。

編集部にあったIntel X99 Expressのシステムでは、購入当時は1枚3万円もした無印のDDR4メモリーモジュール(8GB)が1枚という構成であった。モジュール1枚で2.5万〜3万円となると4枚では10万〜12万と、一般ユーザーには手の届かない環境であったと言えるだろう。

しかも、Intel X99 Expressの登場直後は、メモリーの品質にバラつきが見られるようで「うちの環境で動いた」「同じマザーボードだけど動かない」といったような相性問題も存在していた。こうした互換性といった点も、今回は解決してきているのに加え、無印のDDR4メモリーモジュールがストリートプライスで7千円程度にまで安くなってきており、高くてメモリー増設をあきらめていた人たちでも、「HyperX Fury」を使ったメモリー増設が可能になる。

■まずはベンチマークでIntel X99 Express で動くか? メモリーの性能をチェック
本製品、オープンプライスであるが高性能な8GBモジュールでも1万円程度であろうと予想でき、以前と比べてはるかに買いやすくなると思われる。そのためSkylakeユーザーだけでなく、既存のIntel X99 Expressの増設メモリーとしての用途を最初に検証し、次にSkylakeシステム上でその性能を追求した。

今回はIntel X99 Expressでの性能チェックの結果を紹介しよう。まずはメモリーの内部情報を知るために、起動時にBIOSをチェックし「Intel XMP」を有効にして、システムを立ち上げる。XMPがメモリーからプロファイルを読み込んで起動してくる。BIOS上で確認すると「XMP DDR4-2667-15-17-17-35-1.20V」という表示になっていた。

プロファイルは「XMP DDR4-2667-15-17-17-35-1.20V」と言う表示だ。

プロファイルは「XMP DDR4-2667-15-17-17-35-1.20V」と言う表示だ。

自動的にXMPによってメモリークロックは2666MHzで動作していることがわかった。CPUクロックはどうなっているのかシステム情報を表示してくれる「CPU-Z」を使用してチェックする。CPUは定格3.3GHz(最大3.6GHz)のIntel Core i7-5820Kを使っている。

検証に使用したのはIntel Core i7-5820K

検証に使用したのはIntel Core i7-5820K

CPU-ZでもXMPプロファイルを確認できる。

CPU-ZでもXMPプロファイルを確認できる。

デュアルチャネル時(16GB、XMP2666設定)

デュアルチャネル時(16GB、XMP2666設定)

ということで、この16GBの状態でベンチマークテストを回した。テスト時の組み合わせは以下、ノーマル動作時(3.3GHz駆動)、XMP有効(4.0GHz)、CPUをクロックアップして4.1GHz駆動といったパターンだ。

■デュアルチャネル時(8GB×2)
1)ノーマル動作(3.3GHz)
2)XMP有効(4.0GHz)
3)クロックアップ(倍率変更4.1GHz駆動)

■クアッドチャネル時(8GB×4)
1)ノーマル動作(3.3GHz)
2)XMP有効(4.0GHz)
3)クロックアップ(倍率変更4.1GHz駆動)

今回利用したベンチマークテストはFuturemarkのPCMark7でOSはWindows 10 Home(64ビット版)。結果を見れば明らかだが、動作周波数が高いほどスコアも高い。4.1GHz駆動は、FSBを上げるリスクを冒した上でのオーバークロックだ。XMPの範囲で4GB駆動と100MHzしか違わないのであれば、むしろXMPにまかせたほうがいいだろう。ただし、FSBのクロックが高い分、ベンチのスコア差がそれなりに出ているのがわかる。

メモリーチャンネルの数の差でデュアルチャネルでは若干低いスコアとなっている。

メモリーチャンネルの数の差でデュアルチャネルでは若干低いスコアとなっている。

多少の差でしかないがクアッドチャネルのメリットが出たスコア

多少の差でしかないがクアッドチャネルのメリットが出たスコア

以上、Intel X99 Expressでの基本チェックを紹介した。Intel 99 Express搭載PCでメモリー交換や増設を検討しているのであれば、間違いなく「HyperX Fury DDR4」はおススメできる。安定性と高性能を高い次元で両立している点も十分及第点だ。なお、Skylakeシステムでは、どういったパフォーマンスが出るのかは、また次の機会にお伝えする。

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