自立と発展を目指す!VAIO株式会社に新社長就任


「VAIO Z Canvas正式発表! ビジネス向けVAIO Proもお披露目」という記事で紹介したように、VAIO株式会社は六本木ヒルズに期間限定の「VAIO Cafe」をオープンし、一般ユーザー向けに新製品「VAIO Z Canvas」や既存プロダクトを紹介した。そんな同社に新たな展開があった。

VAIO株式会社は去る2015年8月19日、同社東京オフィスにおいて報道関係者向けに新社長の就任挨拶を行った。同社は2014年7月1日の設立以来、一周年を迎える。今回のイベントでは、新しく代表取締役社長に就任した大田義実氏から一周年の謝辞を述べると共に、就任の挨拶と同社事業方針の説明があった。

■非常にやりがいを感じた - 大田社長
イベントは、大田社長による就任の挨拶、および同社の事業方針についての説明があった。同氏は大学を卒業後、30年以上商社(ニチメン株式会社)に勤めていた。主にエネルギー関係、ディテール関係、機械関係の営業、投融資、財務、経営企画などの仕事に携わる。オーストラリアやブラジル、中国地区の総代表などで活躍するなど、海外での経験も豊富だ。

そんな同氏は、機会があれば他社でも活躍したいとの思いがあり、2010年からサンテレホン株式会社をはじめ、様々な会社を渡り歩き、本年6月、VAIO株式会社代表取締役社長に就任し、今日に至る。経営モットーは「良いものを伸ばし、悪いものを直す」というシンプルなもの。同社代表取締役社長の打診があった際、同社を調べたところ、「良いもの」と「悪いもの」がハッキリしており、非常にやりがいを感じたという。

VAIO株式会社大田義実氏

VAIO株式会社大田義実氏

■自立した会社作り(自立)
昨年度(2015年6月からの1年間)はゼロからの創業基板づくりで、VAIO Z/Cancas、VAIO Pro 13 | mk2、VAIO Fit 15 | mk2という3つのラインナップを揃えた。これからの1年間は「会社の中身=稼ぐ力作り」を行い、飛躍への布石を敷くというのだ。「日々此改善でございまして、シンプルでスピーディーな動きができる1年にしたい。」と、大田社長は意気込みを述べた。

同社が目指すのは「自立と発展」、VAIOの強みを活かすことだ。具体的には、「設計・製造技術」「経験豊富な人材」「ブランド」の3本柱がある。まず「自立」だが、同社ひとつの意思で設計/製造から販売/サポートまでの体制をつくり、十分な収益を継続的にあげることだ。具体的には、下記

1.設計/製造から販売/サポートまで一貫した体制
2.収益責任を持つ組織への移行+社員一人一人の意識改革

今年の6月から自前の営業部を新設し、ものづくり機能に営業が加わった。「これで一気通貫の機能を持った自立した会社のかたちが整った。」(大田社長談)

自前の営業部を設立

自前の営業部を設立

新たな設計組織として営業部をつくり、そのなかに技術営業部隊を創設した。同隊は安曇野の設計部隊にイベント時に営業活動をさせるもので、ユーザーの声を次の商品企画に活かせるというメリットがある。

新たな設計組織

新たな設計組織

技術営業部隊

技術営業部隊

■会社を成長軌道へ(発展)
次に「発展」だが、目指すのは「商品力の強化」「販売力の強化」であり、規模の追求はせず、収益ベースで丁寧な作業を行うことである。これにより、会社を成長軌道へのせる。

■商品力の強化
「商品力の強化」としては、同社の得意とするPCを「生産性・想像力を高める最高の道具」にすることだ。VAIOが狙うポジションは、スマートフォンやタブレットでは難しいとされる高パフォーマンスの領域だ。

VAIOが狙うポジション

VAIOが狙うポジション

さらに会社のリスク分散として、VAIOのものづくり力を新しい領域に活かす。VAIOの強みというのは、設計/製造技術・人・ブランドだ。とくにコンピューティング技術、高密度設計/実装/放熱設計はつよく、AIBO時代に培ったロボット製造技術もある。2017年度には、「PC:新規事業=1:1」にまで育てる。すでにコンピューティング技術とロボット製造技術を活かし、FUJISOFTのロボット製造は成功しており、次の事業への話が進んでいる。

FUJISOFT×VAIO

FUJISOFT×VAIO

■販売力の強化
「販売力の強化」では、国内販売強化に加え、海外進出を行う。

B2Bに関しては、ソニーマーケティング株式会社法人営業部とともに、VAIO株式会社技術営業部隊も営業先をまわる。B2Cはソニーマーケティング株式会社のソニーストアに加え、営業が加賀ハイテック株式会社の販売店(196店舗)をまわる。

国内販路の強化

国内販路の強化

海外市場については、適切なビジネスパートナーとの協業を行う。第一弾として選択した地域は、米国とブラジルだ。
まず米国だが、昨年のAdobe社主催「Adobe Max 2014」に試作機として出展した際に非常に評判が高かったVAIO Z Canvas を投入することにより、世界最大のクリエイター市場である米国におけるVAIO の存在確立を図る。また、クリエイター市場に留まらず、これを足掛かりに米国でのPC ビジネス拡大を行う。販売代理店には、国内外でEC サポートの豊富な実績を持つtranscosmos America Inc.と契約をした。

次にブラジルだが、現地でオリジナルPCの製造、販売、サービス等全般を手掛け、PC市場で確固たる地位を持つPOSITIVO INFORMATICA S.A.とパートナーシップを結び、共に南米最大のブラジル市場でのVAIO ビジネスの垂直立ち上げを行う。POSITIVO INFORMATICA S.A.には、VAIO 商標をつけたPC の製造を含めたブラジルにおけるビジネス全般を委託する。

米国

米国

ブラジル

ブラジル

同社は今後も、国内ビジネスを堅実に行いつつ、各国での最適なビジネスパートナーを見つけながら、海外市場においてのさらなる展開を検討していくとしている。

■VAIO株式会社

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