任天堂、スマホなど向けアプリはまずは2016年3月末までに5本程度提供へ!ユニバーサル・スタジオの運営会社と提携し、マリオなどのキャラクターを活用したテーマパークも



任天堂のスマホなど向けアプリは年度内に5本程度!テーマパークにもIP活用へ

任天堂は8日、前日の5月7日に発表した2014年3月期(2014年4月〜2015年3月)の決算説明会を開催し、今年3月に発表したDeNA(ディー・エヌ・エー)との提携によるスマートフォン(スマホ)およびタブレットなどのスマートデバイス向けにゲームアプリについて2017年3月末までに5タイトル程度を提供する計画であることを明らかにしました。

また、スマホなど向けアプリでもマリオやヨッシーなどのキャラクターを含む任天堂IP(知的財産)の活用をし、既存のゲーム機向けタイトルをそのまま移植することはしないとしていましたが、新たに任天堂IPを用いたテーマパーク展開を「Universal Studios」を展開するUniversal Parks & Resortsと基本合意したと発表しています。

任天堂IPの活用として展開されるスマホなど向けゲームについてはこれまでにも年内にゲームアプリを提供するとしていましたが、その規模は今年度内までに5本程度となるとのこと。

これはこれまでにも展開するIPに例外を設けないながら、一方で、今やスマホなど向けゲームビジネスは極めて厳しい競争時代に入っており、著名なIPを活用したとしても品質が十分ではない中途半端なアプリでは成功の可能性が極めて低くなっていることを挙げています。

また、ゲーム専用機で実績があるタイトルをそのまま移植しただけではスマホなどでのプレイスタイルに適合せず、最適なビジネスモデルも異なるため、大きな成功は望めないとし、同社では「やる以上はここで成果を出さねば意味がない」という考えからスマホなど向けアプリで展開するIPやタイトルは厳選して投入するということです。

説明会に登壇した任天堂代表取締役社長の岩田聡氏は「(年度末までに5本程度について)少なく聞こえるかもしれませんが、ひとつひとつをヒット作に導くことを狙い、しっかり運営することを考えると、決して規模の小さい中途半端な取り組みではないと考えています。 」と同社の方針を語りました。

また、最終的にはグローバルに順次サービスを展開し、世界中で億単位の利用者に楽しんでもらえるようにすることで、収益構造のひとつの柱を作っていくことをめざすとしています。

スマホなど向けアプリを提供するに当たり、既存のゲーム機との一体型メンバーズサービスを導入することも発表されていますが、説明会では詳細は別途発表するとしつつ、任天堂のゲーム専用機とスマホなど向けアプリで共通のIDを利用可能にし、スマホなど向けアプリとゲーム専用機の間の架け橋とするようにしたいとのこと。

これまでのメンバーサービス「クラブニンテンドー」は個別の会員IDでサービスを提供していましたが、今後は任天堂のWebサイトに共通IDでログインすることで、ひとりひとりに対してこれまでの購買履歴やプレイ履歴などを反映させた各種サービスをはじめ、ロイヤリティープログラムを進化させた各種サービスを利用できるようにし、ユーザーに最大限のメリットが得られるようにするということです。

また、これにより、スマホなど向けゲームから専用ゲーム機への入口として、これまでゲーム機で遊んだことがない人や過去にゲーム機で遊んでいたものの現在は離れている人にゲーム機で遊ぶようになってもらう流れも生み出したいとしています。

最後にUniversal Parks & Resortsと合意した任天堂IPを活用したテーマパークについては任天堂ゲームのキャラクターや世界観を元にして、ここでしか味わえない専用の魅力的な体験を産みだしていくつもりだとし、具体的な時期やどのIPをどのように使うのか、展開するパークはどこで、どのくらいの規模で展開するのかなどの詳細については、後日改めて発表すると語るに留まりました。

なお、2014年3月期決算については売上高5,497億円(-3.8%)および営業利益247億円(前期比+711億円)と4期ぶりに営業黒字に復帰し、Newニンテンドー3DSの発売や、それと同時に発売したゲーム「モンスターハンター4G」などが好評で、日本市場でも昨年後半に6か月でダブルミリオン(200万本)以上を販売したタイトルが5タイトルと次々に発売され、日本市場ではニンテンドー3DSハードの累計セルスルー台数がまもなく1900万台に到達するなどしています。

 前期当期増減率
売上高5,717億円5,497億円(△3.8%)
売上総利益1,632億円2,145億円(31.5%)
(売上総利益率)(28.5%)(39.0%) 
営業利益△464億円247億円( - )
(営業利益率)(△8.1%)(4.5%) 
経常利益60億円705億円( - )
(経常利益率)(1.1%)(12.8%) 
当期純利益△232億円418億円( - )
(当期純利益率)(△4.1%)(7.6%) 

今期(2015年3月期)は売上高5,700億円および営業利益500億円、経常利益550億円、親会社株主に帰属する当期純利益350億円を予想しています。連結販売数量予想は以下の通り。

ニンテンドー3DSハードウェア760万台
ニンテンドー3DSソフトウェア5600万本
Wiiハードウェア10万台
Wiiソフトウェア400万本
Wii Uハードウェア340万台
Wii Uソフトウェア2300万本


記事執筆:memn0ck


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2015年5月8日(金) 決算説明会

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